【二世帯住宅】母一人+子世帯の間取りは?後悔しないリフォームのポイント
まだまだ元気だとわかってはいても、母一人で生活させるのは不安がつきまとうもの。いっそのこと、今の住まいや実家を二世帯住宅にリフォームして一緒に暮らした方がいいのでは?と考える方は少なくありません。
とはいえ、間取りをどうするのか、リフォーム費用はどう捻出するのか、近くに住むという選択もあるが二世帯住宅の方がいいのか、などわからないことや不安に思うこともたくさんありますよね。
そこで今回のコラムでは、母一人と子世帯が二世帯住宅で一緒に暮らすために知っておきたい、リフォームのポイントと注意点をまとめました。これからのリフォーム計画に、ぜひお役立てください。
コラムのポイント
・家族とはいえ、適度な距離感が大切です。程よい関係性を保ちながら、仲良く助け合い暮らすために二世帯住宅は最適なライフスタイルです。
・二世帯住宅のメリットやデメリット、リフォームする際の注意点をおさえた上で、適度な距離感を保てる理想の間取りを実現していきましょう。
Contents
◼ 『二世帯住宅にする必要はあるの?』問題
そもそも、母一人と子世帯で暮らすために二世帯住宅にする必要はあるのでしょうか。確かに、親子が一緒に暮らすためにわざわざ居住空間を分ける必要はないように感じるかもしれません。
しかし親子とはいえ、お嫁さんやお婿さんを迎え新しい家族の形をつくっている以上、お互いを尊重できるような一定の距離感は大切です。適切な距離を保ちながら、仲良く助け合いながら暮らすためにも二世帯住宅という選択は必要なのです。
◼ 二世帯住宅の間取りパターンとメリット・デメリット
二世帯住宅は、大きく『完全分離型』『部分共有型』『完全共有型』の3つに分けられます。それぞれの間取りの特徴と、母一人+子世帯で暮らす際のメリット・デメリットをみてみましょう。
CASE① 完全分離型の場合
家の中に二家族分の設備が整っている間取りのことを『完全分離型』といいます。生活空間が全く別になるため、お互いの暮らしに干渉することなく必要な時にコミュニケーションをとることができます。
同じ場所に暮らしながら生活が分かれているため、適度な距離感を保ちながらそれぞれの暮らしを楽しむことができます。
水回りやリビング、ダイニングなど全ての設備が2つ必要になるため、元々広い家である必要があること、リフォーム費用が高額になること、などがネックになるため、事前に話し合っておくことが大切です。
CASE② 部分共有型の場合
リビングだけ共有、水回りだけ共有、といったように部分的に共有する間取りを『部分共有型』といいます。共有する時間をもつことができるため、母一人でも寂しさを感じることなく過ごすことができます。
共有するスペースが多ければ多いほどリフォーム費用をおさえることができますが、一方で距離が近くなりすぎることも。程よい関係性をキープできるような間取りを考えることが大切です。
CASE③ 完全共有型の場合
リビングやダイニング、水回りまで全ての空間を共有する間取りが『完全共有型』です。あまり間取りが変わらないのでは?と思うかもしれませんが、一緒に暮らすために壁を撤去してリビングを広くする、水回りを整える、といったリフォームを行います。
空間を全て共有するため、プライバシーの確保が難しくなります。間取りの工夫だけでなく、一緒に暮らす上での約束なども事前に話し合っておくことが大切です。
参考コラム:二世帯住宅リフォームのポイント|間取りの種類・費用相場まとめ
◼ 母一人+子世帯にリフォームする前の注意点
二世帯住宅にリフォームする際、注意したいポイントをみてみましょう。
注意点① リフォームの費用負担割合をどうするか
決して安くはないリフォーム費用。お母様と子世帯、それぞれがいくらリフォーム費用を出したかによって名義が変わります。住宅の名義は基本的に出資比率によって決まるため、お母様がもっとも費用を出したのであれば母名義になります。
もし、お母様が多く費用を出したにも関わらず子世帯の名義にしてしまうと、お母様の支出分を贈与とみなされる可能性もあります。
税金対策ももちろんですが、費用負担の割合でトラブルにつながるケースは少なくありません。良好な関係を保ちながら暮らし続けるためにも、負担割合はしっかりと決めておきましょう。
注意点② バリアフリーを意識して間取りを考える
二世帯住宅にリフォームする場合は、段差の解消や手すりの設置などバリアフリーを意識して間取りを考えるようにしましょう。
お母様に安心して暮らしてもらうのももちろんですが、介護のしやすさや自分たちの老後を考えても、バリアフリー設計にしておいた方が安心です。
▶ リフォーム事例:和室を洋室に。足腰に負担なく就寝できる快適空間に。
注意点③ 家事や生活費の分担を決めておく
生活を営む上で欠かせない家事ですが、誰がどの程度やるのかについても決めておきましょう。子世帯は共働きなのでお母様がほとんどの家事を担う、という場合、お母様が使いやすいようにキッチンを選び家事動線も考えて間取りを決めていくことで、お母様の負担を最小限にすることができます。
▶ リフォーム事例:生活時間の違いを考慮し、水回りを分けた二世帯住宅
注意点④ プライバシーをどうやって確保するのか考える
完全同居型を選ぶ場合、プライバシーをどう守るかが問題になります。プライバシーが全くない状態ではストレスがたまり、トラブルの火種になる可能性も。
それぞれの個室だけでなく、共有のスペースでもプライバシーを確保できるように工夫してみましょう。事前に話し合っておくことで、専用のスペースを大切にした間取りを考えることができます。
注意点⑤ 増築時は『建ぺい率』『容積率』に注意
二世帯住宅にリフォームするため、増築も視野に入れているという方もいらっしゃるでしょう。確かに増築することで居住スペースが増えるのですが、建ぺい率や容積率に問題がないか事前に確認しておく必要があります。
建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合のことで、土地ごとに建てられる建物の面積は決められており、基本的にその面積を超える増改築をすることはできません。公共施設とのバランスを保つため、居住環境を保護するために建築基準法で定められているため、事前にチェックしておきましょう。
◼ 二世帯住宅にリフォームして理想の暮らしを実現しよう!
母一人+子世帯で暮らす二世帯住宅なら、何かあった時にすぐにサポートし合うことができますし、ここ数年悩まされていた『会いたくても会えない』というストレスからも開放されます。
これから先、どんな暮らしをしたいのか、家族の在り方の理想はどういった形なのか、について今一度見直しながら理想の暮らしを実現していきましょう。