リフォームで戸建のベランダを部屋に|2階ベランダ・インナーバルコニーを生活空間にする際の後悔ポイント・注意点を解説

ベランダは、図面上では「屋外にあるのが一般的」な場所です。
しかし、実際の暮らしの中で、そのベランダを日常的に使っているかと問われると、少し考えてしまう方も多いのではないでしょうか。
洗濯物を干す、たまに外に出る、それ以外の時間は、ほとんど使いこなせていないと感じている方も少なくありません。
そこで注目されているのが、ベランダを部屋として使うリフォームです。
この記事では、戸建の2階ベランダやインナーバルコニーなど屋外スペースを生活空間として使うリフォームのポイントや注意点をわかりやすく解説します。
コラムのポイント
- ・ベランダを部屋として使うリフォームの際は、断熱・窓・構造の見直しが欠かせません
- ・リフォームでベランダを部屋にすれば、増築せずに在宅ワークや趣味スペースをつくれる可能性があります
- ・洗濯スペースの代替や家事動線まで含めて検討すれば、後悔が少なくなります
- ・用途をあいまいにしたまま工事を進めると、使われない部屋になりやすいため注意しましょう
- ・床荷重・防水・法規など、ベランダの前提を理解したうえでリフォームを検討することが重要です
戸建のベランダを部屋にリフォームしたいと感じるきっかけ

ベランダを部屋として使いたいと考えるのには、それぞれのきっかけがあります。
たとえば在宅ワークをするタイミングで、専用の部屋を用意したいと感じる方は少なくありません。
「一部屋まるごと仕事専用にするほどではないけれど、ダイニングやリビングでは落ち着かない」そんなとき、使われていないベランダに目が留まることもあります。
また、お子様が成長し、部屋の使い方が変わったときや、かつては必要だった動線や空間が、今の暮らしには合わなくなっていると気づく場面もきっかけのひとつです。
2階ベランダやインナーバルコニーは、こうした条件が重なり、「今の暮らしに合わせて有効活用したい」と意識されやすい場所と言えます。
洗濯以外で使われていない、物置になっているなど、本来の役割を果たしていない場合は、ベランダを部屋にリフォームするのも一案です。
リフォームでベランダを部屋にするメリット

リフォームでベランダを部屋にすることで得られるメリットは、単なる床面積が広くなるだけではありません。
次のように、暮らしそのものを豊かにするきっかけにもなります。
増築せずに使える面積を増やせる
ベランダを部屋にするリフォームは、建物の外形を大きく変えずに行えるケースが多くあります。
敷地条件や建ぺい率の制限がある住まいでも、検討しやすい点が特徴です。
新たに土地を広げたり、建物を張り出したりせず、既存の面積を活かして生活空間を増やせる可能性があります。
在宅ワークや趣味に合った場所をつくりやすい
仕事や趣味のためのスペースは、「広さ」だけでなく「周囲との距離感」が重要です。
ベランダは居室から少し離れているケースもあり、集中したい作業や、音や気配を切り分けたい時に役立ちます。
今の間取りを大きく変えずに暮らしを整えられる
間取り変更を伴うフルリフォームではなく、部分的なリフォームで暮らしやすさを改善できる点もメリットです。
既存の部屋割りを保ちながら、不足していた居場所だけを補う計画が立てやすくなります。
こちらの記事では、フルリフォーム検討する際に役立つ、戸建の【場所別】間取り変更リフォームのポイントを解説しています。
詳しく知りたい方は、こちらもチェックしてみてください。
▶︎参考コラム:【戸建】場所別・間取り変更リフォームのポイントと注意点
リフォームでベランダを部屋にすると後悔しやすい点

生活空間を増やしやすいなどのメリットが多い一方で、2階ベランダやインナーバルコニーなど屋外スペースを部屋にするリフォームは注意点もあります。
事前の整理が不十分だと後悔につながりかねないため、慎重に検討しましょう。
断熱と窓の計画が甘く、快適に使えない
ベランダは、もともと屋外として計画された空間です。
床や壁、窓の性能を見直さずに部屋にすると、夏の暑さや冬の寒さがそのまま残ります。
断熱や窓の計画が不十分で快適に使えない部屋は、季節によって避ける場所になりやすいため注意が必要です。
洗濯スペースの代替を考えていなかった
ベランダを部屋にすることで、洗濯物を干す場所がなくなるケースは少なくありません。
新しい物干しスペースを決めずに進めると、室内干しが増え、家事の負担が大きくなることがあります。
用途があいまいな状態で工事を進めた
「何となく空いているから」「将来使うかもしれないから」このような理由だけで部屋にすると、完成後に使われなくなることもあります。
ベランダを部屋にリフォームする際には、具体的な使い方を事前に決めておくことが重要です。
こちらの記事では、ベランダを部屋にするリフォームにも関連する、間取り変更のコツなどをご紹介しています。
合わせて、ごらんください。
▶︎ 参考コラム:間取り変更リフォームの後悔しないポイント4つと業者選びのコツ
リフォームでベランダを部屋にする前に整理したいポイント

住まいのデッドスペースをなくして、生活空間を広げたいと考える方は、多いのではないでしょうか。
しかし、前述のように用途があいまいな状態で工事を進めると、十分に活用しきれない可能性があります。
ここでは、2階ベランダやインナーバルコニーなど屋外スペースを部屋にして後悔しないために、計画前に確認しておきたい項目をご紹介します。
毎日使う部屋か、限定的に使う部屋か
毎日長時間使う部屋か、短時間の作業や趣味に使う部屋かで、必要な性能は変わります。
断熱や空調の考え方も、どのような前提で活用するかを検討したうえで判断しましょう。
隣の部屋との一体感を持たせるか、区切るか
隣接する部屋とつなげて使う場合と、独立した部屋として使う場合では、開口の取り方が変わります。
段差や建具の仕様が使いやすさにも直結するため、慎重に検討しましょう。
将来の使い方まで想定できているか
今だけでなく、数年後の家族構成や暮らし方も視野に入れておくことが大切です。
用途を変えやすい仕上げにすることで、長く使える空間になります。
リフォームでベランダを部屋にするのに向く条件とは

ベランダをそのまま使用せず、リフォームで部屋にするのに向く条件は、以下の通りです。
共感する点がある場合は、十分に活用できるケースもあります。
- ・2階ベランダが日常的に使われていない
- ・インナーバルコニーの用途が決まっていない
- ・在宅ワークや趣味のための場所が不足している
- ・部屋数より居場所の質を重視したい
- ・趣味スペースがほしい
単に広さを増やすのではなく、暮らしの使いづらさを解消する目的で検討することが重要です。
リフォームでベランダを部屋にする際の注意点

2階ベランダやインナーバルコニーなど屋外スペースを部屋にする場合、見た目の仕上がりだけでなく、構造や性能の前提を理解しておくことが大切です。
ベランダは居室とは異なる条件で計画されているため、次の点を押さえずに工事を進めると、使いにくさや不具合につながりやすくなります。
床荷重と構造上の制限
ベランダは人が一時的に出る前提で設計されており、居室と同じ床荷重を想定していないケースがあります。
床を組み替える場合は、下地や構造補強の要否を事前に確認しましょう。
防水層を傷めない施工計画
ベランダ床には、防水層が施工されています。
造作や床仕上げの変更で防水層を貫通すると、雨水浸入の原因になることもあるため、注意が必要です。
防水を維持したまま施工できる納まりを選ぶなど、実績豊富な施工業者に相談しましょう。
断熱と窓性能の不足
ベランダは、外気に近い環境です。
そのため、断熱材や窓の性能を見直さないまま部屋にすると、温度差が大きくなり快適に過ごしづらい空間になってしまいます。
採光と換気の確保
部屋として使う場合、採光と換気の条件を満たす必要があります。
開口部の位置や大きさによっては、暗さや空気のこもりやすさを感じやすくなるため、採光と換気を確保しましょう。
法規上の扱いの確認
ベランダを部屋として使う工事内容によっては、建築基準法上の床面積や用途の扱いが変わる場合があります。
事前に法規面を確認するなど、法規上の扱いに注意しましょう。
下記から、リズムが手掛けたリノベーション事例をご確認いただけます。
合わせてごらんください。
まとめ|暮らしに合ったリフォームでベランダを部屋に
リフォームでベランダを部屋にする計画は、空間を増やす工事ではありません。
今の暮らしに合っていない場所を見直し、使われる空間へ整え直す工事です。
用途・快適性・家事動線まで含めて整理することで、完成後の満足度は大きく変わります。
無理に部屋らしくするのではなく、今の暮らしに合う使い方を見つけることが、ベランダリフォームを成功させる近道です。
リズムは、足立区・ふじみ野、松戸、太田、稲毛、戸田エリアを中心に、ベランダを含む、さまざまなタイプのリフォーム相談を行っております。
店舗での対面相談だけでなく、足を運ぶことが難しい方にも安心のオンライン相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
