高齢者も安心!バリアフリーデザインで実現する命を守る暮らし
段差や滑りやすさなど障害となるものを除去した『バリアフリーデザイン』は、今や公共施設だけでなく、食器や家具、住まいなど私たちの身の回りに溢れています。使い勝手が良くて便利なだけでなく、暮らしの安全も守るバリアフリーデザイン。今回は、高齢の祖父母や両親が安心して住み続けられるようにリフォームする上で欠かせないバリアフリーデザインについて、どんなデザインなのか、取り入れることによって暮らしはどう変わるのか、まとめてご紹介します。
コラムのポイント
・『バリアフリーデザイン』は、障害となるものを取り除いた上で、誰もが生活がしやすいような設計のことをいいます。
・バリアフリーデザインを取り入れた住宅にリフォームすることで、安全面に配慮の行き届いた安心の暮らしが実現します。
・誰もが安心して暮らしていけるような、バリアフリーデザインを取り入れたリフォーム計画を進めていきましょう。
table of contents
- ◼バリアフリーって何?
- ◼【バリアフリーデザイン】暮らしはどう変わる?
- ・安心の入浴タイム
- ・車椅子でも通りやすい廊下
- ・広々としたトイレ
- ・転倒事故防止
- ・筋力が落ちても開け閉め楽々
- ◼誰もが過ごしやすい快適な住まいを!
◼バリアフリーって何?
バリアフリーとは、直訳すると『障壁の除去』という意味です。主に、高齢者や障害を持った方が社会生活を送る上で、障壁になるものを取り除く、という意味で使われています。
バリアフリーデザインとは
私たちの暮らしに深く関係している『バリアフリーデザイン』は、障害となるものを取り除いた上で、力を入れずにドアの開閉ができたり、車椅子で行き来しやすかったり、というような生活がしやすいように設計することをいいます。
バリアフリーとユニバーサルデザイン
『バリアフリー』『バリアフリーデザイン』『ユニバーサルデザイン』など、近年はたくさんの表現があってわかりにくい…と感じる方も多いかもしれません。ユニバーサルデザインは、年齢や性別、人種、身体的特徴など関係なく、全ての人が生活しやすいように考えられたデザインのことです。
ユニバーサルデザインは元々、人生のある時点ですべての人は何らかの障害に直面することがある、という理念に基づいて考えられています。そのため、全ての人にとって最初から支障のない設計になっています。バリアフリーは、高齢者や障害者といった特定の人に配慮し法律で定められていますが、一方のユニバーサルデザインは、法律で規制することなく推し進められているのが特徴です。
◼【バリアフリーデザイン】暮らしはどう変わる?
現在の住まいを、バリアフリーデザインを取り入れた住宅にリフォームした場合、暮らしはどの程度変わるのでしょうか。
安心の入浴タイム
滑りにくく水はけのよい床材に張り替え、断熱性も高めることで快適な入浴時間を送ることができます。
高齢者にとって安心の入浴時間は、お湯に5分ほど浸かり、体を洗ってお風呂から出るまでに15分ほどが最適といわれています。これは高齢者の皮膚は温度を感じにくくなっているためです。あまり長湯をしすぎても、急いで入浴を終えようとしても危険なので、スムーズに入浴を終えられる環境を整えることが大切です。
また、リフォームによって浴室の断熱性能を上げることも大きな効果があります。洗面所や浴室、浴槽に温度差がある場合、急激な血圧の変化によってヒートショックが起こりやすくなりますが、きちんと対策を講じておくことで最悪の事態を避けることができます。
車椅子でも通りやすい廊下
JIS規格によって車椅子の幅は
・手動車椅子は63㎝以下
・電動車椅子は700㎝以下
と決められています。そのため、車椅子でも過ごしやすくリフォームする場合、この数値をもとに廊下の幅を決めていきます。
もちろん、車椅子を利用している人だけでなく、一緒に住んでいる家族にとっても行き来しやすいように、最低70㎝は確保しておくようにしましょう。また、車椅子が何度も行き来するため、車輪が動きやすく、傷がつきにくい素材の床材を選ぶようにしましょう。
広々としたトイレ
トイレの中には縦と横それぞれの手すりを設置しましょう。便器まで歩いて行く時、立ったり座ったりして用を足す時、それぞれの手すりが役立ちます。また、高齢になるとトイレの回数は必然的に増えてきます。トイレは寝室の近くにも設置しておくと、夜中に何度もトイレに行く時でも安心です。
そして、高齢になってトイレに一人で行けなくなった場合は介助が必要になります。衣類の脱衣、便座への移乗、用を足した後の清拭など大人ふたりがトイレの中にこもって作業をすることは珍しくありません。そんな時もスムーズに作業できるように、トイレの広さは広めに確保しておくと良いでしょう。
転倒事故防止
バリアフリーを意識したリフォームをする際、多くの部屋に手すりを設置して移動が楽になるように環境を整えます。
東京消防庁によると、日常生活の中で起こる高齢者の事故のうち、転んだり落ちたりする事故だけで5年で30万人以上が医療機関に緊急搬送されています。令和元年だけでも83,905人が緊急搬送されており、高齢者にとって転ぶことは命とりにもなります。
特に居室や寝室で多くの転倒事故が発生しているので、手を添えやすい位置、力を入れて体を支えやすい位置を意識して手すりを設置すると良いでしょう。
東京消防庁
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/202009/kkhansoudeta.html
筋力が落ちても開け閉め楽々
成人の筋肉量は体重の約40%といわれており、加齢とともに低下していき、70歳を迎える頃には体重の約10%にまで減ってしまいます。高齢になり活動量が少なくなり、動きも少なくなっていくことでさらに筋肉は衰えます。
このように、筋肉量が落ちたとしても扉の開け閉めをしやすいように、リフォーム時は引き戸を採用しておくとよいでしょう。掴みやすい大きな取っ手をつけることで、さらに開閉しやすくなります。杖を使いながら、手すりにつかまりながら開閉することを想定して設置することで、スムーズに開閉することができます。
もちろん、まだ筋肉が発達していない小さなお子様や、怪我で思うように手を動かせない時など、誰にとっても開け閉めしやすいのが特徴です。
◼誰もが過ごしやすい快適な住まいを!
バリアフリーデザインにリフォームすることで、家というハード面から住みやすく働きかけることができます。ソフト面は、一緒に暮らす家族の心遣いや言葉かけ、介助や手助けなどで日々働きかけることができます。
ハード面とソフト面の両方から働きかけて、誰もが快適に暮らせるようなリフォームを進めていきましょう。
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