リノベーションで叶える快適クローゼット|後付け・壁面活用の計画と使いやすさのコツを解説

クローゼットは、住まいの快適さを左右する重要な要素の一つです。
新築時には十分だと感じていた収納も、暮らしの変化とともに不足を感じるようになるケースは少なくありません。
とくに多いのが、収納量そのものより、収納の位置や使い方が今の暮らしに合っていない状態です。
そこでこの記事では、リノベーションでクローゼットを後付けする方法や壁面活用のコツをわかりやすく解説します。
コラムのポイント
- ・クローゼットリフォームでは、収納量よりも「暮らしの動線や使い方」を重視することが大切です。
- ・後付けクローゼットは、散らかりやすい場所や動線上に配置すると、片付けやすくなります。
- ・奥行きや幅、扉の開閉方法などの寸法計画が、日常の使いやすさを大きく左右します。
- ・湿気や換気への配慮を行うことで、衣類や収納物を長く快適に保ちやすくなります。
- ・壁面クローゼットは、内部のゾーニングを整えることで迷わず使いやすい収納になります。
Contents
クローゼットリフォームでまず考えたい「暮らしとの関係」

クローゼットを増やす計画では、収納量に目が向きがちです。
しかし、リノベーションでは「どこに、どれだけ入るか」よりも、「どう使われるか」を重視する必要があります。
収納は入れる箱ではなく、暮らしの動きに寄り添う仕組みとして設計することで役割を果たすものです。
クローゼットは単体で完結する設備ではありません。
生活動線の一部として計画することが、満足度の高いクローゼットリフォームにつながります。
クローゼットリフォームをする前にチェックしたい項目
ここでは、クローゼットリフォームでまず考えたい「暮らしとの関係」を導き出すヒントをご紹介します。
以下の点を例として、ご家族と話し合ってみましょう。
- ・着替えはどの部屋で行っているか
- ・外出時に必要な物はどこで準備しているか
- ・洗濯から収納までの動線はどうなっているか
- ・帰宅後の上着やバッグはどこに置いているか
- ・掃除道具や日用品の置き場は足りているか
こうした流れを整理せずに後付けクローゼットを設けると、収納が増えても使われにくい状態になってしまいます。
反対に、動線に沿って収納を配置すると、片付けのハードルが下がり、空間が自然と整いやすくなるため、あらかじめ確認しましょう。
また、クローゼット計画では「何を入れるか」の棚卸しも欠かせません。
衣類、寝具、季節家電、学用品、掃除道具、ストック品など、住まいの中には収納したい物が多くあります。
衣類だけを想定してクローゼットを設けると、別の場所に物があふれ、結局は収納不足が解消しないケースもあるため注意が必要です。
こちらの記事では、クローゼットのリノベーションとともに検討したい壁面収納の施工事例などを詳しく解説しています。
合わせて、参考になさってください。
▶︎参考コラム:おしゃれなリビング収納で広々空間を実現|壁面収納ほかリフォーム事例と費用相場
後付けクローゼットを計画する際の基本的な考え方

後付けクローゼットの魅力は、今の暮らしに合わせて柔軟に取り入れやすい点です。
一方で、構造や空間バランスへの配慮が欠かせません。
見た目は収納の追加に見えても、室内の採光や通風、回遊性、家具配置に影響します。
計画の前段階で、空間全体との関わりを把握することが重要です。
既存の間取りを活かしてクローゼットを設ける場合
後付けでクローゼットを設ける場合、新たに部屋を増やすのではなく、以下のような場所を活用するケースがあります。
- ・廊下の一部
- ・リビングの壁面
- ・寝室の一角
- ・使われていないスペース
上記のように、既存の間取りを無理に変えるのではなく、今ある空間をどう使い直すかという視点も大切です。
合わせて通路幅が狭くならないか、窓の前をふさがないか、コンセントの位置が使いにくくならないか、扉の開閉が干渉しないかなど、暮らしの小さなストレスにつながるポイントを事前に確認しておきましょう。
さらに、後付けでは「収納を増やす場所」を探すより、「散らかりやすい原因が生まれている場所」を見つけることも重要です。
玄関からリビングに入る動線、洗面脱衣室の周辺、寝室の動線など、物が滞留しやすい場所には共通点があります。
そこに合わせて収納を組み込むことが、片付けが継続しやすくなるポイントです。
奥行きと幅の設定が使いやすさを左右する
クローゼットの寸法は、収納量だけで決めると使いづらくなる可能性があります。
奥行きを深くしすぎると、手前の物しか使われなくなることがあるため注意しましょう。
例えば、衣類中心であれば、必要以上の奥行きを取らず、「見渡しやすさ」「取り出しやすさ」を優先することで、日常使いの快適さが向上します。
ハンガーパイプの位置、引き出しの有無なども、使い勝手に直結するため慎重に検討しましょう。
また、幅の取り方にも注意が必要です。
間口を広げれば収納は増えますが、扉の開閉や前に立つスペースが不足すると、使いにくくなります。
特に、寝室や廊下に近い場所では、通行と収納動作がぶつからない計画が重要です。
「湿気対策」と「換気」を重視する
後付けクローゼットで見落とされがちなのが湿気対策です。
収納内部は空気が滞留しやすく、季節によっては結露やにおいの原因になります。
衣類だけでなく、紙類や革製品を収納する場合は、特に注意が必要です。
扉を付ける場合でも空気の通り道を意識して、内部の壁や天井の仕上げ、床の通気、換気の取り入れ方など、目に見えない快適性まで意識すると、長く安心して使える収納になります。
こちらの記事では、クローゼットのリノベーションにも役立つ、マンションフルリフォームのポイントを詳しく解説しています。
ぜひ、参考になさってください。
▶︎参考コラム:マンションフルリフォームを成功させるための事前チェックポイント・注意点と間取り変更の施工事例
壁面クローゼットを取り入れる際の計画ポイント
壁面クローゼットは、空間を有効に使える反面、計画を誤ると圧迫感の原因になります。
収納量を増やしながらも、部屋で心地よく過ごせるように整えましょう。
天井まで使う場合の注意点
天井までの壁面収納は収納力が高い一方、視覚的な重さが出やすくなります。
そのため、以下のような工夫を取り入れましょう。
- ・扉の色を壁となじませる
- ・一部をオープン収納にする
- ・下部を引き出し、上部を扉にして視線を整える
- ・取っ手の主張を抑える
空間の抜けを意識することが、収納量と居心地のバランスを取りやすくするポイントです。
壁面収納は飾る場所と隠す場所を分けると、メリハリのある空間をつくりやすくなります。
使うモノの居場所が明確になるように整えると、モノの定位置が決めやすくなりますよ。
扉の種類が空間の印象を左右する
壁面クローゼットでは、扉の有無やタイプの選び方も重要です。
開き戸、引き戸、折れ戸など、それぞれに向き不向きがあります。
通路幅や家具配置を考慮し、開閉時の動作がストレスにならないかを確認したうえで選びましょう。
例えば、開き戸は内部が見渡しやすい反面、前に立つスペースが必要です。
引き戸は省スペースですが、開口が半分ずつになり、内部に手が届きにくいことがあります。
折れ戸は開口を広く取れますが、レールや金物の納まりでメンテナンス性を意識する必要があるため、見た目だけで選ばず、日常の動作に合う扉を選ぶと、ストレスが軽減します。
内部のゾーニングで「迷わない収納」を作る
壁面クローゼットは面積が大きく収納量が増えますが、内部が使いづらいと収納に迷う可能性があります。
家族で共有する場合は、誰がどこを使うかが曖昧になり、物が混ざりやすくなるのも難点です。
そこで重要になるのが内部のゾーニングで、例えば上部は季節物や来客用、手の届く範囲は日常使い、下部は重い物やストックなど、位置と役割を揃えると迷いが減ります。
収納は「探す」「戻す」の回数が多い場所です。
迷いを減らす計画は、暮らしの負担を大きく軽減します。
まとめ|クローゼットリフォームは「計画」で快適さが決まる
クローゼットリフォームは、単に収納を増やすだけではなく、暮らし方を見直し、今の住まいに合った形へと整える工事です。
後付けや壁面活用は自由度が高い分、計画の質が仕上がりに大きく影響します。
だからこそ、収納単体ではなく、住まい全体との関係を考える視点が重要です。
動線、扉の開閉、寸法、湿気対策、内部のゾーニングまで丁寧に設計すると、クローゼットは暮らしを支える心強いスペースへと変わっていきます。
日々の使い方を見つめ直し、戻しやすい仕組みを作ることが、快適な住まいづくりの近道です。
リズムは、足立区・ふじみ野、松戸、太田、稲毛、戸田エリアを中心に、クローゼットを含む、さまざまなタイプのリノベーション相談を行っております。
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