埼玉県1階鉄骨造2階木造のリフォーム事例

ご結婚依頼、T様とお母様とは、スープの冷めない距離にお住まいでした。しかし、お母様も80歳を超える年齢になり、もう少し先を見据えてご一緒に住むことを決心されました。「家業で使用している1階倉庫と2階住居部分を全面改装して2世帯仕様に」そんな構想を描かれていたT様。早速、打ち合わせがスタートしました。

打ち合わせ時のスケッチ

＜和室＞
リビングから続く和室は、明るい陽射しが入る、落ち着いた空間に仕上がりました。2階の和室にあった欄間は新築をした時に建具職人さんが製作して下さった、思い出が詰まったもの。今回のリフォームでは1階和室の欄間として再利用することになりました。空間のポイントとなり、スッキリとした和室の中にありながら重厚感をも与えてくれています。長い間、T様ご家族を見守ってきた欄間。みんなが集う空間でこれからも、家族を見守り続けてくれることでしょう。

ステンドグラス調デザインの扉。空間がシンプルにまとまっているだけにアクセントとしてとても映えています。廊下とリビングをつなぐ、毎日使う何気ないドアですが、少し手を加えることでお気に入りの場所に返信。「これまで使ってきたものを再利用する」「空間の中で遊びを取り入れる」…いずれもリフォームならではの楽しみ方です。

「設計の星野さんにお任せしますよ」と仰っていただき、オリジナルデザインで製作したのが、玄関に製作した傘ラックです。雑然としやすい玄関だからこそ、収納への配慮が必要です。雨の日が少し楽しくなりそうですね。

T様の当初からのご要望だった、2つの玄関。でも家の中に入ると一つの空間の中で家族が繋がれている…そんな程よい距離感があり、家族が身近に感じられる空間づくり。広々とした玄関ホールから一つの扉をくぐれば、すぐに家族が繋がることができます。玄関を上がればもちろんバリアフリー。お母様に優しい住まいは家族みんなにも優しい。そんなことに思いを馳せながら設計をしました。

【2F】
住居スペースだった2階は、活かせる部分は残しつつも、リフォームを行いました。続き間だった和室は一つを洋室にし、LDKとつながるご主人の趣味室に。また吹き抜けだった1階LDK上は洋室と納戸に生まれ変わり、居住スペースがぐんと広がっています。

1Fの洗面室は家事の中心となる場所。使いやすさを考えてとことん広く取りました。間口の幅を広めに取ったことと、バリアフリー設計で安全に出入りできます。そして、洗面化粧台の横にはタオルや下着などの収納スペースを確保しました。タンス程度の家具を置くこともできます。

空間をとことん活用し、スッキリとしたデザインのカウンターと手洗いを設置しました。これだけで、トイレがグンとグレードアップします。カウンターに季節の草花やグリーン、小さな置物を置いたりして楽しめます。

＜外装＞
外壁は1階のみリフォームしました。2階の色彩を生かし1階はダークブラウンでまとめて全体を引き締め、メリハリを出しました。玄関ドアの木目が可愛らしく映えています。どちらの玄関ドアをくぐっても、家の中で家族が一つに繋がる…そんなT様邸です。

2つの玄関に合わせてポストと表札も2つずつ。仲良く並ぶその姿から、家の中で家族が繋がっていることが自然と伺えます。そして、家族だけではなくお客様をお迎えする玄関アプローチに少しこだわると個性が生まれます。さりげないブロック塀の目隠しとその横の植栽部分。奥様と設計の星野が一緒に選んだマンサクは綺麗な紅葉も楽しめる樹です。このT様ご家族のシンボルツリーが家族やお客様を温かくお出迎えするのです。

広い敷地の中には建物のほか、ゆったりとした庭があります。お母様が季節の花々を楽しんだり、リビングから眺めたり。気候が良い季節にはこのお庭が第2のリビングとなって食事なども楽しめそうです。