玄関の位置を見直して使いやすく|動線・収納・外観がまとまる位置変更リフォームのポイントを解説

玄関は、家の印象を決める「顔」であると同時に、ご家族が毎日必ず通る場所です。
そのため、少し使いにくい動線があるだけで、帰宅時や外出時のストレスが積み重なりやすくなります。
昔ながらの間取りでは、家の中央に玄関があるレイアウトも多く見られますが、現代の生活動線とは合わなくなってきているのも事実です。
収納を増やしたい、来客動線を分けたい、もっと家事をしやすい位置に移したい方は、多くいらっしゃいます。
そこでこの記事では、玄関の位置を見直して使いやすくするリフォームポイントを、動線・収納・外観を中心に解説します。
コラムのポイント
-
・玄関位置を変えるリフォームの種類を整理し、暮らしに合わせた改善方法をご紹介します
-
中央玄関を移す際の注意点や費用の考え方を把握でき、計画のイメージがつかみやすくなります
- ドアの向きだけを変える方法でも、動線は改善できる場合があります
-
スケルトンリフォームと組み合わせることで、玄関だけでなく間取り全体が一新して暮らしやすくなります
Contents
玄関の位置を変えるリフォームでできること

玄関の位置変更は、外壁・内部構造・間取りの複数の要素が関わるため、住まいの中でも規模の大きい工事に分類されます。
ただ、その分だけ「暮らしの変化」も大きく、帰宅時の動作がスムーズになったり、家族の動線が整理されたりと、日々のストレスを軽くする効果が期待できます。
たとえば、玄関からキッチンが遠いと買い物帰りが負担に感じやすく、来客がリビングを通らなければならない位置に玄関があると、生活感を見せたくない時に気を遣ってしまうこともありますね。
こうした「毎日の動作のしづらさ」を解消しやすいのが、玄関位置の見直しです。
移動できる範囲と、動かせない部分
玄関の位置は自由に動かせるように感じられますが、実際には建物によって調整できる範囲が異なります。
外壁のどこに開口を作れるのか、構造上残す必要のある柱がどこにあるのか、既存の屋根形状との整合性は取れるのかなど、複数の条件をクリアする難しさがあるのは事実です。
しかし、玄関を移動することには、次のような多くのメリットがあります。
- ・帰宅時の動線が短くなる
- ・来客動線と家族動線を分けやすい
- ・土間や収納の広さが確保しやすくなる
「動かせる部分」と「改善したい部分」をどのように調整するかが、玄関リフォームのポイントになります。
中央玄関を移動するリフォーム|事前に確認しておきたいポイント

家の中央に玄関がある間取りは、かつて日本の家の多くに採用されていました。
その理由のひとつは、左右どちらにも部屋が配置でき、外観のバランスも整えやすいためです。
しかし現代では、生活動線が複雑になりやすく、使いづらさを感じるご家庭が増えています。
この章では、中央玄関を移動するリフォーム前に、知っておきたいポイントを確認しましょう。
中央玄関が使いにくくなる理由
中央に玄関があると、左右に廊下が延びるレイアウトになりがちです。
その結果、収納が取りづらかったり、土間が広げにくかったりと生活しづらい環境にストレスを感じることもあります。
また、来客と家族が同じ動線を通るため、互いに気を遣う場面が増えるのもデメリットです。
中央玄関の場合、キッチン・洗面・ランドリーなどの「毎日使う場所」との距離が離れやすく、帰宅後の一連の動きが複雑になってしまうのも使いづらさの理由として挙げられます。
移動先はどこが適切なのか
中央玄関の移動先として選ばれやすいのは、道路からの視線や隣家の動線とぶつかりにくく、日中の明るさが確保しやすい位置です。
南側は明るさを取り入れやすく、東側は朝の光を得やすい、北側はリビングに陽をまわせるなど、それぞれに特徴があります。
また、車をよく使用されるご家庭の場合は、駐車場に近い側へ移すことで帰宅時の負担が軽くなるケースもあります。
敷地の形、生活時間帯、家族構成によってベストな位置は変わるため、施工実績豊富な工務店などに相談をして慎重に決めましょう。
費用が決まるポイント
中央玄関の移動費用は、以下のようなポイントが複合して決まります。
- ・新しい開口をどの範囲でつくるか
- ・土間をどこまで新設するか
- ・断熱や外壁補修をどの程度行うか
「ほんの少し位置をずらしたい」のか、「別の外壁面へ移したいのか」、「スケルトンのように構造から見直すのか」などで費用は大きく変わるため、信頼できる施工業者による現地調査が不可欠です。
玄関を「部屋」として活かす方法|有効活用の具体例

玄関を移すと、元のスペースが空くことがあります。
その空いたスペースをどう生かすかを考える時間は、住まいづくりの中でも楽しいひとときです。
玄関は家の端にありながら、屋内外が自然に融合する独特の空気感を持つため、他の部屋にはない魅力があります。
この章では、玄関スペースを部屋として有効活用する具体例をご紹介します。
心地よく使うための微調整は必須
玄関は、靴を脱ぎ履きするためにひんやりとした造りになっていることが多く、そのまま部屋にすると冬の寒さが入り込みやすい場所です。
とはいえ、大掛かりな工事が必要というわけではありません。
床の高さを整えたり、断熱材を少し足したり、用途に合わせて換気を追加したりと、小さな調整が居心地のよさにつながる鍵です。
また、玄関ドアをふさいだ部分の外壁を自然になじませる仕上げを行うことで、家全体が美しく整います。
玄関スペースを部屋として使う具体例
空いた玄関は、屋内外が緩やかにつながるスペースです。
「開放感がありながら屋内の安心感もある」、魅力的な居場所になります。
たとえば、以下のような使い方を検討してみてはいかがでしょうか。
- ・朝の身支度をゆっくり整えるパウダースペース
- ・読書や作業に向いた、こぢんまりしたワークスペース
- ・コートや季節小物の収納をまとめたファミリークローゼット
- ・趣味の道具を広げられる小さなアトリエ
あえて「特別な用途」を持たせると、もとは玄関だった空間が「意味のある場所」としてよみがえります。
こちらの記事では、戸建て住宅の場所別リフォームのポイントを解説しています。
合わせて、ご確認ください。
▶︎参考コラム:【戸建】場所別・間取り変更リフォームのポイントと注意点
ドアの位置だけを変えるリフォーム|メリットと注意点

玄関全体を移すのではなく、「ドアの向きだけを変えたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
大規模な工事ではなく、ドアの位置を映してアプローチの方向が変わるだけでも、玄関まわりの使いやすさは変わります。
この章では、ドア位置を変えるメリットと注意点をお伝えします。
ドア位置変更のメリット
玄関のドアの位置だけを変えると、駐車場との距離が短くなる、ベビーカーが入れやすくなる、雨の日に濡れにくいなど、日常の小さな不便が軽くなります。
また、ドアの向きを変えると来客から室内が見えにくくなるため、急な訪問時でも落ち着いた気持ちで対応できるのがメリットです。
ドア位置を変更することで、外観に違和感が生まれる可能性があります。
ドア位置を変更する際の注意点
外観とのバランスを保つため、元あったドア部分の仕上げを自然になじませる施工が欠かせません。
素材や色合いが浮かないよう、デザイン性と機能性を両立できる実績豊富な施工業者に依頼するのがおすすめです。
下記から、玄関リフォームを含む施工事例をご確認いただけます。
合わせてごらんください。
スケルトンリフォームと組み合わせれば自由度が広がる

玄関の位置を変えたいと思ったとき、住まい全体の改修もしたいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に築年数が経った住宅では、断熱や窓の性能、デザインまで見直すスケルトンリフォームすることで、玄関だけでなく間取り全体を現代的にアップデートできます。
スケルトンリフォームと組み合わせれば、以下のような玄関まわりも実現しやすくなるため、合わせて参考になさってください。
スケルトンで叶える、快適な玄関まわり
スケルトンリフォームすると、玄関土間を広くしたり、大きなシューズクローゼットを設けたり、帰宅後すぐ手洗いができるよう洗面を近くに配置したりと、玄関が快適な空間へと一新します。
さらに、来客動線と家族動線を自然に分けることもできるため、暮らしの余裕が生まれやすくなるのも利点です。
こちらの記事では、一戸建てのフルリフォームの費用相場について解説しています。
合わせて、ごらんください。
▶︎参考コラム:一戸建てフルリフォームの費用相場は?場所別の費用目安と注意点
まとめ|玄関位置を変えるリフォームで「住まいの顏」を快適に
玄関の位置を変えるリフォームは、デザイン性だけでなく、暮らしやすさを生み出す大切な工事です。
中央玄関の移動、ドア位置変更、空いた玄関の活用、スケルトンとの組み合わせなど、どのタイプが合うのかは、ご家族のライフスタイルによって異なります。
毎日感じている小さな不便があるのなら、玄関を起点に住まいを見直してみてはいかがでしょうか。
ご家族の暮らしを快適にする、「住まいの顏」づくりのヒントとして、ぜひ玄関位置を変えるリフォームアイデアをお役立てください。
リズムは、足立区・ふじみ野、松戸、太田、稲毛、戸田エリアを中心に、キッチンリフォームを含む、さまざまなタイプのリフォーム相談を行っております。
店舗での対面相談だけでなく、足を運ぶことが難しい方にも安心のオンライン相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
